20人の男たち(2/20) 2年かけてストーカーした末に逆ナンしたFくん 4

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母に彼の存在をぶっちゃけた後も、私は懲りずに図書館へ通った。

2年かけてストーカーした末に逆ナンしたFくん-3

つかず離れず、自習を続ける我々2人だったが、

私は離れずどころかむしろお近づきになりたいと、あの手この手を考えた。

思春期の高校生。

私が先客で座っている限り、彼は磁石のように一定距離離れて座るのは当然だ。

それであれば、私が先客で彼のテリトリーに入りつつ、彼が席を選ぶ時に私が居なければ、

至近距離に座ることができるし、その結果はさも偶然かのように装える。

8月の夏休み、私はその作戦を実行に移した。

午前中から自習室に行き、もちろん座るのは彼の一番のお気に入りの席の隣。

休日、彼は午後から来るのを知っている。

それであれば私は昼食を食べに中座すればいい。

私は、図書館を出た。

午後14時。

そろりそろりと自習室に戻る。

I did it!

そこには、まんまと私の隣、彼の一番のお気に入りの席に座る彼の姿が!!!

私は書架の陰から彼を見つめ、ガッツポーズ。

やばい、私頭良すぎる。

ひとり書架の脇から彼に熱視線を送る私。

隣に座ったらどうしよう、挨拶する?会釈?いや変だな。

とりあえず教科書や参考書の中身を見て、学年とか知りたいよね。

なんならノートに書いてある名前で下の名前が知りたい。

彼女いるのかな、メールの着信とかで異性の存在はわかるものかな。

近すぎちゃってどうしよう、とりあえず鉛筆とか転がしたらいいのかな。

湯水のように流れでる彼への興味と、とはいえ恥ずかしくて席に戻れない私。

15分くらい図書室をくるくるしながらようやく意思を固めた。

確か当時、右手と右足両方同時に出すくらい緊張しながら席に向かった気がする。

彼は、私の隣の席に座ってしまった事に気付いたような顔をして、チラッと私を見る。

私は平常心を装いながら、さも私が先客でしたけど何か顔で席に着く。

とはいえ、鼓動が波打つ様子が服の上からでもわかるくらいに、心臓はバクバクと音を立てていた。

そのあとは、正直よく覚えていない。

たぶん、勉強なんてしてやいないし、ただ借りてきた猫のように隣に座っていただけだ。

やはり、高校生が隣に座るのは落ち着かないのか、彼は小一時間後帰っていった。

結局、隣に彼の気配を感じながら、なんの収穫もなくただただ座っていただけ。

それでも束の間の幸せ、どうもありがとうFくん。


翌日夕方、昨日の余韻に浸りながら、また図書館に来た。

今日は日曜日、Fくんはいない日だ。

彼がいない図書館は本当の意味で集中できる、私は本を眺めながらいつもの席に向かった。

(ドサッ)

私は思わず本を落とした。

そこには、普段いないはずのFくんが。

本来、座らないはずの、テリトリー外の私の定位置の席に座っている。

まさかFくんが居るとは思っていない私は、席のそばで彼の存在に気付き、思わず本を落とした。

彼がゆっくりと顔を上げて私を見る、目が合う2人。

何事もなかったかのように、彼は顔を下げてまた勉強に向かう。

私はその一連の様子をスローモーションで見ながら我に返り、

あまりの恥ずかしさに落とした本を拾い、くるりと背を向け自習室を後にした。

(何をしているんだ私。彼の隣に座る絶好のチャンスだったじゃないか!)

(いや、あまりにも不意だったんだ、まさか彼がいるとは思わないじゃないか!)

そのまま自転車に飛び乗り、私は帰路に着いた。

2年かけてストーカーした末に逆ナンしたFくん-5