20人の男たち(9/20)育ちの違いは残酷な破壊力だと思ったYくん

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彼との出会いはアナウンサースクール。

なんでアナウンサースクールに通ったかって、

私は幼少から世界不思議発見のミステリーハンターになりたかったから。

就職活動が本格化する前、大学2年生の頃に、

本気でミステリーハンターを目指すべきか試してみようという事で、

大学のミスコン出場とアナウンサースクールに通ってみた。

昔は一般公募で生え抜きでミステリーハンターになれたのだが、

いつからか事務所所属のタレントのみオーディションの権利が与えられ、

結果、私は万人に笑顔でいられるほど愛想が良くないと気づき、

タレントをしてまで、ミステリーハンターを目指すことは辞めた。

で、そのアナウンサースクールで出会ったYくんの話なのだが、

彼は大阪出身の男の子だった。

親が早くに離婚して、経済的に苦しい幼少を過ごしたからか、

何不自由なく育った私とは相容れない出来事が多々起こった。

例えば、

家に遊びに行った際、簡単にご飯を作るのに

フライパンの蓋がないか聞いたところ、

渡されたのは脂が跳ね返ってカピカピになった雑誌だったり、

食材の買い出しに行こうとしたら、

メニューは家にある食材で決めるのが普通で、

買出しに行くのは安売りの時にしようと言われたり、

あと何があったかな…

なんか細かすぎてほぼ覚えていないのだけど、

私が何かする度に、「君は恵まれた環境で育ったんだね」とか

「我が家は貧しかったからこうだったとか」一言余計についてきた。

ブランド物買い漁り散財してるならまだしも、

(ここで引合いがブランド物の時点でまた彼に言われるのかな笑)

トマト缶1つ気持ちよく買えないのかよ!と思ってサヨナラしたのを覚えている。

私の家庭だって別段贅沢ができる程ではなく、普通の中流家庭。

電気消せだ、水を流しっぱなしにするだ、ポイントは貯めろだ、

割と質素な暮らしを仕込まれた方だと思っている。

とはいえ、こうした程度問題は相対比較…

私といる事で、彼の性格が益々悪くなるのであらば、

彼のためにもならないと思った。

(当の親はパッパラピーの楽天家だったけど…)

彼の言動は、生活水準からくる劣等感なのか、

何がこのヒネクレを生んだのか今でもわからない。

これは、私の中で結構大きなテーマで。

これらについて書き出すと、話の収拾がつかなくなるのだが、

例えば、強者の理論、文化的資本の格差とか…。

人が素の状態でやっている行動が、

無意識のうちに第三者に危害を加えている場合はとても多く、

それはボランティアに参加する際の現場でもよく起こり得る話だ。

ボランティアのように相手のためを思ってやった行為がエゴであることも不幸だが、

素で行動しているだけで相手を不快にさせているなら、それもまた罪だなと思った。


後日談だが、就活が終わった頃、

友人経由で彼が無事に地方局に就職が決まったと聞いた。

お祝いの連絡をしたところ、彼からの返事は相変わらずヒネクレていた。

「就活前に振られて結構しんどかった。

見返してやろうと思って頑張ったよ。」

(そうか!私を見返すために就活を頑張ったのか!

負のエネルギーにせよ、結果を残せたのは何よりだ!ハイ、お疲れ様!)

つくづくヒネクレた人だなと思ったことを覚えている。

(おわり)

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