20人の男たち(10/20)ナンパ方法に感心したフランス人Mくん

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これは、恵比寿で女友達と2人暮らしをしていた頃の話だ。

家から外苑前まで往復7km程の道がランニングコースだったのだが、

ランニング途中で、フランス人のおじさまとご縁があった。

外苑西通りを走っていたら、オープンテラスのカフェで休憩中のおじさまに、

箱根駅伝のように「がんばれ~」と手を振られた。

私も適当に返してそのまま走り去ったのだけれど、

折返して同じ道を戻った際、驚いた事にそのおじさまが

テラスから私にペットボトルの水を差し出してきた。

そして「ちょっと休憩していかない?」と誘われ、

あまりのシチュエーションの面白さに、ついつい足を止めてしまった。

空いているテラス席に腰掛けて、一息。

息を整え、彼の話を聞いた。

彼は、フランスで画家をしていて、

今回初めて日本のギャラリーで個展を開く事になり来日したらしい。

初来日だけれども、日本をとても気に入り、

このテラス席で道行く人を眺めて、のんびりと過ごしていたらしい。

個展の招待状を見せてもらい、彼の作品に対する想いをアレコレ説明され、

ふんふんと聞いていたのだが、途中ゝでさりげないボディタッチがはいる。

いつの間にか、「君の手、きれいだね」と言われ、

よく映画で見る感じの手の甲にキス。

私は(いやー、その手今汗だくですけど…)と思いながら冷ややかな対応をするも、

彼は全くめげる様子もなく、引き続きアレコレ熱く語りながら、

私の頬を流れる汗を拭ったりと、引き続きスキンシップをとってきた。

汗だくジャージ姿の若造日本人を熱心に口説くフランス人は、

傍目どのように見えてきたのだろう…。

今思うと実にオカシなシチュエーションだ。

ひとしきり語った後、終いには、

「僕が泊まっているホテルにポートフォリオがあるから

君に是非見てほしい!君の感性で感想を聞かせてくれ!」

とホテルに誘ってきた。

さすがに還暦過ぎたフランス人と汗だくのまま情事は無いなと思いつつ、

彼のテンションに合わせ、情熱的かつ残念そうにお断りした。

成功要因の一切感じられないこのナンパの何に感心したかって、

フランス人の女性へのアプローチの軽さと貪欲さ。

私の旦那にも言える事だが、ともかくアプローチが軽い。

ヒット率を高めるにはまずは母数と思っているのか、

話のきっかけの作り方がとにかくカジュアルだ。

一方で、導入はカジュアルな割に、アプローチは貪欲だ。

導入がok=脈アリと捉えてモードを切り替えるのかはわからないが、

褒める、見つめる、触る……

こうしてムードを醸される程に、

自分の汗だくジャージ姿とおじさまの熱心さのコントラストが笑えてきて、

私が余計に萎えていく様に気づかないのか、気にしないのか笑

細かなことを気にせずにゴールめがける貪欲な姿勢がすごいなと思った。

結局、お茶をご馳走になった挙句、ボンボンショコラまでお土産にもらい、

汗の引いた夜道をトコトコと歩いて帰りました。

今思い出した。

NYでイタリア人にナンパされた時も似たような感じだった。

もしかすると、導入はカジュアルに、アプローチは熱くというのは、

ラテン系の常套手段なのかもしれない。

無理にかぶれる必要はないですが、機会があればお試しあれ笑

(おわり)

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