20人の男たち(11/20)宗教の壁は高いと思ったDくん-1

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ここからは後半戦。

1回目の結婚に至るまで、そして離婚を決めて再婚に至るまでの、20代後半の葛藤がまざまざと感じられる男関係が続く。

男キライの女性達に人気のコラムニスト、アルテイシアさん風に表現するならば、59番目のマリアージュならぬ、21番目のマリアージュに向けたストーリーだ。

(この連載、キリがいいので20人にしただけで、数は適当だったりする笑)

後半戦は、読み手によっては、個人が特定できてしまう危うさがあるが、それでも私はここに書き出す事で諸々の出来事を清算したい。

叶姉妹の言葉を借りるなら(最近の暇つぶしは叶姉妹のインスタを見ること笑)「相手に敬意を払い尊重し、誠意を持って」綴ってみようと思う。

それに、ブログのようなストック型コンテンツの良い所は同期性を伴わない点だ。

(同期性:時間や場所が一致せずとも、必要としている人に届けられる)

私のこの葛藤が、似たような境遇の人の励みになれば幸いだ。


彼は、社会人になってから付き合い始めた古巣の同僚だ。

私は中高、大学まで女子校育ち故、同じ組織の人と付き合う経験がなかった。

バイト先の教え子も、アナウンサースクールの彼も、その組織に属さなくなってから付き合い始めている。

そのため、彼は私にとって初めて、現役で所属している組織の中で付き合った人になる。

しかしこの話は、タイトルの通り宗教というセンシティブな問題が絡む。

それまでは、意識的に組織内恋愛を避けてきたのだが、やはりそうすべきではなかったと、私は約2年程苦しむ事になる。


彼と付き合い始めたのは、社会人になって半年過ぎた頃だったか。

たまたま家も近く、自然と仲良くなりお付き合いが始まった。

彼は、同性からも異性からも愛される、いわゆるイイ奴という感じで、私とは違って、温厚で人に優しい人だった。

しかし、付き合い始めて半年ほど経った頃か、私の心をざわつかせる出来事が起きた。

彼の実家に遊びに行った時、私はトイレに無造作に置かれた本を手にとってしまった。

それは、宗教団体X会に関する本だった。

(この本が家にあるという事はもしかして…)その場で私は凍りつきながら、先ずよぎったのは親の教えだ。

我が家では、X会に限らず新興宗教に対する偏見がとても強い。

それは、私の父親がX会をクライアントに持ち、実体験として内部事情に精通し、当事者と触れ合っていた事や、かの有名な地下鉄サリン事件の時は、私の通学路が現場になるなど、ともかく私が幼少の時から過度なくらい、新興宗教について留意するように教育されてきた。

ただ、家に本があったくらいでは、白黒がつけられない。

たまたま知人にもらった本を置いていただけかもしれない…。

たまたま本屋で気になった本を買ってみただけかもしれない…。

私はその日、ざわついた気持ちを表に出さないようにして、帰路に着いた。


今思えば、即座に彼に聞いておけばよかった、フランス人の様に、話の切り出しはカジュアルに!だ。

けれど、私の中で宗教は大きな問題である分、なかなか自分から切り出せず、たまたま本があっただけの事…と自分に言い聞かせながら、楽しいお付き合いは続いていった。

時間が経つにつれ、あの出来事が自分の中で形骸化すると思いきや、意外と根深くしこりが残った。

もし、本人含めご家族がX会に所属していた場合、私はお付き合いを続けるだろうか…自分に根強く残る偏見を取り払うためには、正しい知識しかないと思い、この問いかけに結論をつけるべく、ともかく宗教について調べた。

四大宗教の起こりと変遷、各宗教の違い、世界の宗教論争、現在の分布やトレンドから、仏教の歴史と信仰、日本の思想史、近代宗教史、X会の内部告発本や会が出している雑誌、本人の著書など…ともかく納得したいがために勉強しまくった。

私の、宗教に対する現在のスタンスは、この時調べたことが基盤になっている事は間違いない。

時たま、時事ニュースを取り上げてこうしたトピックについて彼に意見を聞いたりしたが、別段真相に触れる様なやりとりもないままだった。

この、白黒つかない状況は私を不安にさせた。ともかく、自分の中で結論が出るまで、私は私達の付き合い自体、一切同僚に話さないと決めた。

そして、問題が勃発するのである。

(続く)20人の男たち(11/20)宗教の壁は高いと思ったDくん-2

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