20人の男たち(18/20)イケメンは信用できないと思ったTくん -4

投稿日:

彼との付き合いは楽しく続いていた。

前回→20人の男たち(18/20)イケメンは信用できないと思ったTくん -3

私は当時、社会創発塾という東京大学の先生の主催する社会人ゼミに所属して、仕事の傍、プロジェクトをゴリゴリ回していたし、彼も一念発起して幹部自衛官を退官し、厳しいベンチャー企業に飛び込み、思考錯誤しながら仕事に没頭していた。

やりたい事のためにもがきながら充実した日々を過ごしていて、お互いの頑張りを応援していた。

今振り返っても、彼と結婚したことに対して別段違和感はなかったのだが、私には無自覚の落とし穴があった。

それは、母親から押し付けられた結婚観だった。

前の、お見合いをした話 にも書いたが、私の母親はモーレツに強烈だ。

確固たるあるべき論と高い理想をもつ完璧主義者。

そこまでは別段構わないのだが、厄介なことにそれを家族や人に押し付けてくる節がある。(不思議なことに、友人関係においては、網羅的な情報収集と、綿密な考察によるアドバイスは価値があるらしい…)

私が受けた教育もそうだ。

唯一の救いは偏差値主義ではなかったことだが、いわゆるお受験ママの母親の方針に従い、小学校から国立大学附属校に通い、大学を出るまで親の教育観を前提に、私は進路を選んできた。

要するに、自分の選択と思ってきたことは、実は親の価値観による事前審査を経た選択肢の中からの選択だった。

私はこの罠に気づかないまま、結婚についても、私の自由意志で選んでいると思いきや、無意識に親の価値観に合わせた事前審査を行なっていた。


・どこの大学を出たか

学歴という社会資本は、人を評価する上での一つの客観的な要素である。要するに、ある程度の試験をクリアしたという前提が担保されている、信頼の指標といえる。

・どんな家庭で育ったか

結婚とは、本人同士の繋がりかつ、家族同士の繋がりである。親同士の生活水準や価値観が類似していた方が、円満な関係構築ができる。

・どんな仕事か

所属する会社の社会的信用度により、個人が得られる特約も大きい。また、会社を通じた人脈など、社会人になってからの付き合いによって生活観や生活水準が決まる。

・イケメンか

人は第一印象が9割。端正な顔立ちは生きる上でのアベレージ。子供に影響するから旦那はある程度イケメンの方が良い。


改め文字にしてみると、かなり凝り固まった考えだし、本質的でないことばかり笑

こういう価値観を嫌という程聞かされていたので、結婚相手として連れていく人は、まずはこうした親にとって重要な諸条件をパスしていないと話が先に進まないだろう…という前提が、無意識のうちに私に染み込んでいた。

後から気づくことになるのだが、私にとってはどれもハナから重要事項ではない。

というか、ぶっちゃけどれも興味がない。

興味があるのは、その人が何を目的に生きているのかだけ。

目的があって初めて、こうした社会的資本が活かされてくるのだから、人を見極めるに当たってこれらが議論の前提に来ること自体がおかしい。

ただ、私もまだ若かった。

こんな風に、真っ向から親に言う気概もなく(っつーか、もはや洗脳されてるからな…)なんの疑問も持たずにいたのだった。

(つづく)20人の男たち(18/20)イケメンは信用できないと思ったTくん -5

20人の男たち(目次)