「お金の切れ目は縁の切れ目」という諺がある。
身もふたもない言葉だなと思うのだが、もとは水商売の世界で使われた言葉だ。
前回→20人の男たち(18/20)イケメンは信用できないと思ったTくん -6
お金があれば、遊女が恋人のようにチヤホヤしてくれるが、お金がなくなればそんな関係も終わりということだ。
もちろん、私は元旦那に対して稼ぎを期待して結婚したわけではないし、恋人や友人関係の縁もお金とは全く別物だと思う。
しかし、お金の使い方には、その人となりが大きく表れると思っている。
ちょっと話が逸れるのだが、私は気に入ってる教訓は、コピーして手帳に貼ってたまに読み返せるようにしている。
電通の鬼十則、宝塚歌劇団のブスの25ヵ条、7つの習慣の要約、ジェームスヤングのアイディアの作り方、それと千田琢哉さんの「あたりまえからはじめなさい」という本の50項目だ。
この本には、職場、人間関係、お金、勉強と情報、人生、全部で50の基本的な動作について、彼の自論が語られている。
どの項目も本当に素敵で、結構私の行動指針になっている。
(せっかくなら、項目だけ読んでわかった気にならず、一つひとつの理由まで読んでほしい。)
例えば…(以下抜粋と、私のこと)
まず自分から与える(貰うより与えよで書きましたよね)
謙虚になるために授業料を払う(今年はアナリストや研究所への情報代が15万程)
本気で求められたら本気で応える(本気で生きてない人に興味が沸かない…)
目が冴える勉強をする(常に見える世界がアップデートされる!)
そして、逆に、私が日頃できていないことはマーカーをして、自戒するようにしている。
締め切りを守る(いつでも成果物をギリギリまで手放せない…)
先輩や上司を立てる(尊敬できない人に指示されるのが苦痛…)
人に会う前に充分に準備する(何も考えずフワッと会う癖がある…)
この中で、お金に関する項目がとても深い。(一部抜粋)
お金の話は最初の商談で決める
振込み期限に遅れる人とは距離を置く
期日前に振り込む人に深く感謝する
迷ったら高い方を買う
支払いの際にお金を投げない
収入の高い人と付き合う
お金持ちを尊敬する
例えば、仕事で取り組んでいる人にちょっとタダでやってよ~と頼む無礼な人もいれば、組織でのお祝い事や、お持たせを買う時に少し多めに出してくれる人もいる。
金額の大小に限らず、お金の払い方にその人の周囲への姿勢が出ると思っている。
前回の話で少し触れたが、私と彼は金銭感覚が違った。
まずは、生活費。
先に述べたように、私が先に生活を整えてから彼が合流したために、生活費をどうやりくりするか、共益費をどうするか、厳密に決めないまま生活が始まった。
共働きゆえ、多少曖昧でも成立してしまっていたのだが、今後のことも踏まえ、私は共益費の話を持ちかけた。
なんなら、日々の食費やら雑費やらなんやら(MTクラシックカーという難易度高めの車なので無理強いはできないものの、車両費も…)全てこちらで出していたので、さすがにどうなのかと思っていた。
が、彼は出す気がないようだった。
食費に関して言えば、平日はお互い忙しくて朝も夕飯も一緒にとる前提がなく(私は午前中は固形物を食べない人でして…)私が作った時に帰宅のタイミングが合えば彼も食べる程度。
そのため、「なぜ僕が食費を出すの?」というスタンスから話が始まった。
私はその発想がよくわからず、あれこれと話しているうちに彼がイライラし始め、終いには「君の買い物は高いから出したくない!」「たいしたご飯作らないくせに!」と言われた。
またでた、おまえは何様のご身分だと。
私が買ったちょっと高いチーズを入れたオムレツ、北海道の高級昆布出汁の味噌汁を旨そうに食べてるのは誰だ。
食費を全額負担しながら猫まんまを出されたならまだしも、タダ飯の分際で作った人にその言い草はなんだ。
この人は、物事に対して感謝がない人なんだなと思った。
次に、結婚式の費用の立替。
私達は、結婚式は神社で一親等だけで行ったのだが、費用は2人で出す事にしていた。
披露宴のように、両家交えてのお祝儀の清算が発生しなかったため、私がまとめて一括で払ったのだが、何度言っても立替費用分が返ってこない。
あんまりしつこく、お金返して!と督促するのも面倒になって寝かせてしまったが、これも理解し難いことだった。
最後に、私が手伝っていた仕事の報酬についてだ。
広告代理店勤めの彼の案件で急遽揮毫が必要になり、キャンペーン用の横断幕の字を担当する事になった。
前年は20枚程を報酬なしで納品したのだが、2年目は謝礼をもらって仕事として取り組みたい(それがダメなら他の方へ委託してもらって構わない)と伝えた。
結局、その年もご依頼頂いたのだが、発注書も来なければ見積りの催促もないし、依頼内容が残らない口頭発注。
さすがに、法人との取引で金銭についてあやふやなまま納品はまずいと思ったのだが、何度確認しても結局曖昧…。
更に驚いた事に、私が納めた字がTシャツに印刷されてクライアントのイベントブースで販売されている始末…!
私は著名な作家では作品は著作物、いったいどんな仕事の進め方をしてるんだ?!と彼に言ったら、「プロでもないのになにごちゃごちゃ言ってるの?」と言われた。
もはや、呆れてモノが言えなかった。
常識の欠如が成せる天然の仕業なのか、はたまた、ジャイアン理論が彼の正義なのか。
ともかく私への誠意と感謝が全く感じられず、これが一生続くと思うと、いくら植木先生が「行動を積み重ねた先に愛が~」なんて綺麗事を言ったとしても、この人が家族である必要はないなと、冷静に思えてきた。