20人の男たち(18/20)イケメンは信用できないと思ったTくん -9

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こうして淡々と綴っているが、離婚すると断言してからは、やはり大変だった。

実態として夫婦の体をなしていないにしても、すぐさま合意にはならなかった。

お互い主張は平行線、それが長引くほど双方に心労は溜まっていった。

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一度、あまりに辛すぎて、友人に助けを求めた。

私は自己完結型の生き物なので、普段は人に頼って話を聞いてもらうよりも、自分の中で折り合いをつける方が精神の回復が早い。

しかし、この時ばかりは1人が辛くて、とりあえず山手線を一周しがてら、駆けつけてくれる友人を待った。

この一連の騒動を通じて、側に居てくれてよかったと思う人が4人いる。

1人は、私の親世代で、仕事の先輩であり人生の先輩である男性と、

パートナー選びにお於ける優先事項が間違っていたと気づかせてくれた男性。

そして、私が自分軸で行動していなかった事を冷静に分析してくれた女友達と、

こちらの都合は御構い無しに自分の恋愛話を能天気に語ってくれた女友達だった。

それぞれの立場から、それぞれのやり方で、私が背負ってきた物を解きほぐしてくれた。

最終的に、双方の両親を交え、喧嘩両成敗のような締め括りで関係を終えた。

義父母は、辛い思いをさせて申し訳無かったと頭を下げてくださったが、親が謝ったからといって撤回しても、当の本人のためにならない。

それよりも、尊敬していた義父母にそんな事を言わせてしまった事がまた辛かった。


余談だが…こうした三者会談の場をどこで設けるか悩んだ。

ランチやディナーをしながら?祝いの席でもあるまいし。

ガヤガヤとしたカフェ?いや静かなカフェでする話でもない。

家?スマートな別れ際が分からない。

結局、ルノアールの個室を借りた。

コーヒー業界にも流行り廃りがある中で、昔から変わらないルノアールは、こうした需要すら内包するのかと感心した。

もしもの時はルノアールをご贔屓に…笑


心労は溜まりつつも、肩の荷が降りた解放感は、見える世界をガラリと変えた。

死ぬこと以外かすり傷って、こういう時に使うんだなと思った。

もう、バツ2でもバツ3でもドンと来い、なんでも吹っ飛ばして前進する最強マリオみたいな気分だった。

ストレス因子がなくなり、平穏無事な日常が戻ってきたのだが、ある日友人に言われた。

「今は大丈夫でも、精神的なダメージは後からくるぞ。」

(そんな脅すなよ~)なんて笑い飛ばしたが、友人が言った通り半年後に、見ないフリをしてきた心労が込み上げてきた。

(つづく)20人の男たち(18/20)イケメンは信用できないと思ったTくん -10

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