20人の男たち(19/20)3度目の正直でフラれたHくん -1

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今回のテーマ、それは「男の傷は男でしか癒せない」という話だ。

私が離婚騒動で疲弊した最中、私はある男性と数年振りに再会した。

元旦那と出会う以前に振られた相手だ。

私とその男性Hくんとの出会いは、社会人になりたての頃まで遡る。

仲良くしていた友人宅の集まりで知り合った。

皆でワイワイしていた最中、部屋の対角に座っていた彼の様子を見ていたが、帰り際に名刺をもらった。

その瞬間、この人と何かが起こる直感があった。

容姿に一目惚れしてモジモジとタラレバ垂れるのではなく、なんというか、彼の全てに興味が湧いてもっと彼の事を知りたいし、そのために行動する確信があった。(人はそれを一目惚れと呼ぶのか?笑)

私の予感は見事に的中。

彼のことを知るにつれてどハマり。

結果、7年ばかし片思いすることになるのだから。

ただ、出会ってすぐの頃は私は社会人になりたてで、歳上の彼が見ている世界がよくわからなかった。

彼は数年勤めた会社を退職し、フリーランスで金融関連のコンサル仕事をしていた。

社会人経験が少なかった私には、金融、コンサル、マスコミ、この業界(の人が言う事)はそう易々と信用してはならないという警戒心があった。

(読者で該当する方、大変申し訳ありません!)

そもそも今の資本主義経済の仕組みが好きではないので、その前提の上に成り立つ金融業に不信感があるし、コンサルタントはエセがウヨウヨいるし、マスコミはもはやジャーナリズムではない…と、ともかく私の不勉強故にそう易々と彼らが言う事を鵜呑みにしないと思っていた。

私が彼に興味を持った事もあってか、距離は急速に近づいた。

有難い事に、彼も私に好意を抱いてくれた。

しかし、あまりにも展開が早かった事、彼が見ている世界があまりにも遠すぎた事で、私は二の足を踏んだ。

付き合おうと言ってくれたが、私は応えきれなかった。

こちらから接近しておきながら、告白されたら振るという大変失礼な女だったわけだが、人として尊敬していることは変わらず、付かず離れずの距離間だった。


数年して、私の知識も経験も増え、Hくんが見ている世界が少しづつ身近なものになっていった。

ようやく私の中で彼の輪郭がはっきりと見え始め、やっぱりこの人が好きだと思うようになった。

けれど、その頃にはもう時は遅く、今更何を伝えようが…という状況だった。

あっさりフラれても、私とHくんとの関係は緩やかに続いていた。

一番の理由は、政治経済、宗教、哲学や物事の真理のような、ちょっとマニアックな共通の話題が尽きることなくあった事だと思う。

大多数が向く方向に迎合せず、物事を思慮深く疑ってかかる彼の思考回路が好きだった。

今思えば、私の今のスタンスは彼から多大な影響を受けているのかもしれない。


更に数年経って、直接会う機会があった。

それまでは、メールやSNSなどを介してやり取りするだけで、久々の再会だった。

私は、念願叶っての再会がともかく嬉しかった。

けれどその時彼から、「しばらく海外で仕事をするつもりだから、もう会うことはないかもね」と言われた。

そう、彼はそれを伝えに来たのだ。

私は経緯も含めて納得がいかなかったし、出国までの残された時間をできるだけ一緒に過ごしたいと思った。

初めは難色を示されたが、ここで諦めたら後悔すると思って私は彼の家に押しかけた。

この後、2人の関係が続かないことを知ってか、セックスはしなかったが、寂しさ半分、多幸感半分で、押しかけて良かったと思った。

その数日後、彼は予定通り海外に行き、私たちはまた会うことなく、メールやSNSでやり取りをする関係に戻っていった。

(つづく)19/203度目の正直でフラれたHくん -2

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