2CVのある暮らし 〜壁のこちらと向こう側

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「すみません!XXさんですか、僕XX先生の教子なんです。」

先日参加したシトロエンをテーマにした代官山蔦屋のモーニングクルーズで、知らない男の子に声をかけられた。

XX先生…久しぶりにその名前を耳にしたが、よく知った名前だ。

私の大事な2CVを最高のフルレストア車に仕上げた、前オーナーだ。

「今日、先生に許可を得て授業を休んで、シトロエンの車を見に来ました!あなたの話も先生から伺ってます。僕、シトロエンが大好きなんです!!!」

幾ばくか緊張した様子ながら、爛々と目を輝かせている。

なんだかその様子に、かつての自分の姿が重なる。

(あらー、先生の教え子さん!そう、私はいま彼の2CVに乗ってるの。じゃぁ、ちょっと運転席に座ってみる?)

そんな出会いで、その日のイベントは彼と行動を共にすることになる。

聞くと、上京したての大学生、シトロエンのデザインが大好きでずっと憧れていたが、2CVに限らず実物の歴代車を見たのは今日が初めてだという。

「か、かわいいですね…!写真を撮らせてください!」

パシャパシャとカメラのシャッターを押しながら、彼は言う。

「僕、将来はカーデザイナーを目指して勉強しています。古いシトロエンのデザインは無駄のない機能美がとってもカッコよくて。」

(ほう、キミもこの美学にハマっちゃったひとりだね。よーーーしオバさん、大サービスしてやろう!)

車界隈のコミュニティに出入りしていてもなかなか出会えない若者。車好きの若者は一定数いるが、メカニック派だったり、走り屋ヤンキーだったりと、どうも趣味が合わない。こういう若者は貴重だから大事にしたいと思った。

この時ふと、オーナーになって5年の歳月を経て、私がホヤホヤのビギナーから自分の愛車遍歴を語る側の人間になっている事に気付いた。

(あれ、私がかつてお世話になった大人たちと同じことをしている……)

(そうだ、私もこうやって先輩オーナーたちにお世話になりながら、順当にエンスーな階段を上がってきたんだ…)

ふとした出会いから、私は自分の成長を実感した。(綺麗な言葉で書いてみたが、ただオタク度が上がっただけ笑)

車界隈はどうしてもオーナー同士の輪ができてしまって、非オーナーは入りづらい雰囲気がある。しかし、オーナーになるためには、自らその壁を乗り越えていかなければ、情報も機会も永遠に訪れない。

今、かつて私が経験した壁の向こう側にいる彼に、いろんな機会を提供したいと思った。

(そうか、この後シトロエンの100周年イベントに行くんだね。じゃぁ、会場まで送ってあげるよ。)

モーニングクルーズが終わったあとは彼を運転席に乗せ、私たちはラリー車の後について赤坂へ向かった。

上京して数ヶ月、まさか憧れていた2CVで銀座や表参道の街を走れるとは思ってもみなかったようで、彼は大満足だったようだ。会場に着いて興奮冷めぬまま感想を聞かせてくれた。

帰り際に、「お礼と言ってはなんですが…これ、僕が書きました!」

渡された綿のショッパーを広げると可愛い水色のDeudeucheが。

(おぉ、可愛い!大事に使わせてもらうよ。)

そして私たちは別れた。


以前にも買いたが、2CV が運んでくるご縁は本当に面白い。

今回、イベントに参加する前に私は元オーナーの先生にイベントに参加しないのか声をかけた。凡そ1年ぶりの連絡だ。

教え子のシトロエン好きを知っている先生は、授業より経験だと思って行くならば私を訪ねてみるよう一言添えたのだろう。

彼は、臆せず私に声を掛けて、きちんと自分の目標を言葉にして見事2CV(&帰りはCXの)助手席をgetしたわけだ。

よく、「夢や目標は恥ずかしがらずに人に話した方が良い」というが、それはまさにこうした偶然のご縁を引き寄せるコツなのだろうと思った。

初心忘れず、私もやりたい事はどんどん言葉にして言霊の力を借りようと思う。

(おわり)

(余談)

アークヒルズでたくさん買い込みました。

100周年記念本(もちろん仏語)

100周年記念キーホルダー(作りが良いのに安い、もっと買い込めばよかったw)

2CV Tシャツ(フレンチブルーで着る予定w)

2CVのケーキ型(ケーキ作れない人なので砂場遊び用w)

子供用靴下2CVとMehari!

大満足!!!